かがやきインプラント
治療情報

All-on-4(オールオンフォー)とは?費用・メリット・デメリット・寿命・治療の流れを徹底解説

All-on-4(オールオンフォー)とは?費用・メリット・デメリット・寿命・治療の流れを徹底解説

多くの歯を失った方や総入れ歯に不満を感じている方にとって、All-on-4(オールオンフォー)は有力な選択肢です。All-on-4は、片顎あたり最少4本のインプラント(人工歯根)で10〜12本分の人工歯を支える治療法で、手術当日に仮歯を装着できる点が大きな特徴です。本記事では、All-on-4の仕組みから費用相場、メリット・デメリット、寿命、治療の流れ、他の治療法との比較まで網羅的に解説します。

All-on-4とは? ― コンセプトと従来のインプラントとの違い

All-on-4の基本的な仕組み

All-on-4(オールオンフォー)は、ポルトガルの歯科医師パウロ・マロ博士が1990年代に開発した、無歯顎(むしがく:すべての歯を失った状態)や多数歯欠損に対応するインプラント治療法です。

片顎(上顎もしくは下顎)に対して4本のインプラント体を埋入し、その上に**連結型の人工歯(ブリッジタイプの上部構造)**を固定します。奥歯側の2本のインプラントを骨の厚い部分に向けて斜めに傾斜させて埋入することで、少ない本数でも広い範囲の人工歯を安定して支える構造を実現しています。

従来のインプラント治療との違い

従来の全顎インプラント治療では、片顎あたり8〜14本のインプラント体を1本ずつ埋入し、個別の被せ物を装着していました。All-on-4との主な違いは以下のとおりです。

  • インプラントの本数:従来法は8〜14本 → All-on-4は4〜6本
  • 手術回数と侵襲:従来法は複数回の手術が必要な場合がある → All-on-4は原則1回の手術で完了
  • 仮歯の装着時期:従来法は骨結合を待ってから数か月後 → All-on-4は手術当日(即時荷重)
  • 骨造成の要否:従来法は骨量不足で骨造成が必要になりやすい → All-on-4は斜め埋入により骨造成を回避できるケースが多い

All-on-4は「少ないインプラントで効率よく全顎を回復する」という設計思想に基づいた治療法です。


All-on-4の5つのメリット

メリット1:インプラントの本数が少なく、身体的負担が軽い

All-on-4は片顎4〜6本のインプラントで全ての歯を支えます。従来の全顎インプラント(8〜14本)と比較して、埋入本数が大幅に少なくなるため、手術時間が短く、術後の腫れや痛みも抑えられます。手術は片顎あたり約1〜2時間で完了するのが一般的です。

メリット2:手術当日に仮歯が入る(即時荷重)

All-on-4の最大の特徴の一つが、手術当日に固定式の仮歯を装着できる点です。これを「即時荷重(そくじかじゅう)」と呼びます。

通常のインプラント治療では、インプラント体と骨が結合するまで2〜6か月の待機期間が必要です。All-on-4では、4本のインプラントに均等に力を分散させる設計のため、埋入直後から仮歯を固定できます。手術当日の夕方にはご自身の歯で食事ができるケースも少なくありません。

メリット3:骨造成が不要なケースが多い

歯を失ってから時間が経つと、顎の骨(歯槽骨)が徐々にやせてきます。従来のインプラント治療では、骨量不足の場合に骨造成(骨を増やす処置)が必要でした。

All-on-4では、奥歯側のインプラントを骨の厚みが残っている部分に向けて斜めに埋入するため、骨がやせている方でも骨造成なしで治療できるケースが多くあります。骨造成を回避できれば、追加の手術や治療期間の延長を防げます。

メリット4:治療期間が短い

All-on-4の治療期間は、仮歯の装着まで含めると最短1日、最終的な上部構造(本歯)の装着までで3〜6か月が一般的です。

従来の全顎インプラント治療では、骨造成を含めると1〜2年かかるケースもありました。All-on-4は骨造成の回避と即時荷重により、治療全体の期間を大幅に短縮できます。

治療期間の詳細は「インプラントの治療期間と流れ」でも解説しています。

メリット5:従来の全顎インプラントより費用を抑えられる

インプラントの本数が少ないため、従来の全顎インプラント治療と比較してトータル費用を抑えられる傾向があります。詳しい費用比較は次章で解説します。


All-on-4の4つのデメリット・注意点

All-on-4には多くのメリットがありますが、治療を検討する際に把握しておくべきデメリットや注意点もあります。

デメリット1:残っている天然歯を抜歯する場合がある

All-on-4は「片顎すべての歯を人工歯に置き換える」治療です。そのため、まだ残せる可能性のある天然歯も抜歯が必要になるケースがあります。

残存歯の状態が比較的良好な場合、All-on-4よりも残せる歯を活かした部分的なインプラント治療のほうが適しているケースもあります。どちらが最善かは、CT検査と歯科医師の総合的な判断が必要です。

デメリット2:高度な技術と設備が求められる

All-on-4は、インプラントの角度や位置を精密に計算して埋入する技術が求められる治療法です。事前のCTデータをもとにしたサージカルガイド(コンピューターで設計した手術用テンプレート)の使用や、即時荷重に対応した仮歯の即日製作体制が必要です。

歯科医師にはAll-on-4の専門的なトレーニングと十分な症例経験が求められ、すべてのインプラント対応医院で実施できるわけではありません。

デメリット3:対応している歯科医院が限られる

上記の技術的要件から、All-on-4を実施できる歯科医院は限られています。特に地方では対応医院が少なく、通院に時間がかかる場合があります。

クリニックを選ぶ際は、All-on-4の年間症例数歯科医師の専門資格を確認することが大切です。歯科医院の選び方については「インプラント歯科の選び方ガイド」も参考にしてください。

デメリット4:治療後もメンテナンスが欠かせない

All-on-4はインプラント治療の一種であるため、治療完了後も定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎(インプラント周りの歯茎や骨が炎症を起こす病気)のリスクが高まります。

一般的に、3〜6か月ごとの定期検診と専門的なクリーニングが推奨されています。天然歯と異なり、インプラントには歯根膜(歯と骨をつなぐクッションの役割を持つ組織)がないため、細菌感染が進行しやすい特性があります。


All-on-4の費用相場

All-on-4は自由診療(公的医療保険が適用されない治療)のため、費用はクリニックによって異なります。以下に費用の目安をまとめます。

All-on-4の費用テーブル

治療範囲費用相場(税込)含まれる主な内容
片顎(上顎または下顎)200万〜350万円CT検査・手術費・インプラント体4〜6本・仮歯・最終上部構造
両顎(上下顎とも)400万〜600万円上記を上下顎分

従来の全顎インプラントとの費用比較

項目All-on-4(片顎)従来の全顎インプラント(片顎)
インプラント本数4〜6本8〜14本
費用相場200万〜350万円400万〜700万円
骨造成の追加費用不要なケースが多い15万〜35万円×箇所数
治療期間3〜6か月6か月〜2年

All-on-4は、インプラントの本数が少ないうえに骨造成を回避できるケースが多いため、従来の全顎インプラントと比較して100万〜300万円以上費用を抑えられる可能性があります。

ただし、費用にはクリニックの技術料や使用するインプラントメーカー、上部構造の素材などが影響するため、複数の医院で見積もりを取って比較することが重要です。

費用の内訳や節約方法については「インプラント費用ガイド|1本あたりの相場と節約法」で詳しく解説しています。また、デンタルローンや分割払いの活用方法は「インプラントのローン・分割払いガイド」をご参照ください。


All-on-4の寿命はどのくらい?

All-on-4のインプラント体(人工歯根)自体の寿命は、適切なメンテナンスを継続した場合で10〜20年以上が目安です。開発者であるパウロ・マロ博士のクリニックの長期データでは、10年以上の累積生存率(10年生存率94.8%:Malo et al., 2011。18年追跡で93.0%:Malo et al., 2019)が約95%以上と報告されています。

ただし、All-on-4の寿命は以下の要因で変動します。

  • メンテナンスの質と頻度:3〜6か月ごとの定期検診を受けているかどうか
  • 口腔衛生の状態:毎日の歯磨きや専用ブラシでのセルフケアの実施
  • 生活習慣:喫煙は血流を低下させ、インプラント周囲炎のリスクを高める
  • 上部構造の素材:インプラント体は長期間もつが、上部構造(被せ物)は10〜15年程度で修理や交換が必要になるケースがある
  • 噛み合わせの管理:歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、ナイトガード(就寝時に装着するマウスピース)で保護する

インプラントの寿命について詳しくは「インプラントの寿命は何年?耐久性と長持ちさせるケアを解説」もあわせてご覧ください。


All-on-4の治療の流れ(5ステップ)

All-on-4の治療は、大きく5つのステップで進みます。

ステップ1:カウンセリング・精密検査(1〜2回 / 1〜2週間)

最初に歯科医院でカウンセリングと精密検査を行います。

  • 歯科用CT撮影:顎の骨の量・密度・形状を三次元的に把握する
  • 口腔内検査:残存歯の状態、歯周病の有無、噛み合わせの確認
  • 全身状態の確認:持病や服用中の薬の確認、必要に応じて血液検査
  • 治療計画の立案:CT データをもとにインプラントの埋入位置・角度をシミュレーションし、サージカルガイドを設計

CT検査の結果をもとに、All-on-4が適応できるかどうかを歯科医師が判断します。骨の状態によっては、All-on-6(6本埋入)やザイゴマインプラント(頬骨にインプラントを埋入する方法)への変更が提案されるケースもあります。

ステップ2:抜歯・インプラント埋入手術(1回 / 手術時間2〜3時間)

手術当日は、以下の流れで進みます。

  1. 局所麻酔(不安が強い場合は静脈内鎮静法を併用)
  2. 残存歯がある場合は抜歯
  3. 顎の骨に4〜6本のインプラント体を埋入(奥歯側は斜めに傾斜埋入)
  4. 歯茎の縫合

手術は片顎あたり約2〜3時間、両顎の場合は4〜5時間が目安です。静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう:点滴で鎮静剤を投与し、半分眠ったような状態で手術を受ける方法)を併用する場合、手術中の緊張や不安が大幅に軽減されます。

痛みや麻酔について詳しくは「インプラントは痛い?術中・術後の痛みと麻酔法を解説」をご覧ください。

ステップ3:仮歯の装着(手術当日)

インプラント埋入後、数時間以内に固定式の仮歯を装着します。これがAll-on-4の最大の特徴である即時荷重です。

仮歯はあらかじめ技工所で製作しておいたものを手術直後に調整・装着します。手術当日の夕方には、やわらかい食事であれば噛むことが可能です。

ステップ4:治癒期間(3〜6か月)

仮歯を装着した状態で日常生活を送りながら、インプラント体と顎の骨が結合するオッセオインテグレーション(骨結合)を待ちます。

  • 術後1〜2週間:抜糸と経過確認
  • 1〜3か月ごと:仮歯の状態チェックと噛み合わせの調整
  • 治癒期間中は硬いものを噛むことを控え、インプラント体に過度な負荷をかけないことが重要

ステップ5:最終上部構造の装着(1〜2回 / 2〜4週間)

骨との結合が十分に確認できたら、仮歯を外して最終的な上部構造(本歯)を装着します。

  • 精密な型取り(印象採得)を行い、最終上部構造を技工所で製作
  • 素材は強化レジン、セラミック、ジルコニアなどから選択
  • 噛み合わせ・色調の確認と調整

これでAll-on-4の治療は完了です。 以降は3〜6か月ごとの定期メンテナンスに移行します。


All-on-4と他の治療法の比較

無歯顎(すべての歯を失った状態)や多数歯欠損の治療法は、All-on-4以外にも複数あります。それぞれの特徴を比較テーブルにまとめました。

比較項目All-on-4総入れ歯従来の全顎インプラントインプラントオーバーデンチャー
インプラント本数(片顎)4〜6本なし8〜14本2〜4本
装置の種類固定式ブリッジ取り外し式固定式(個別の被せ物)取り外し式(インプラントで固定する入れ歯)
噛む力(天然歯比)約80〜90%約20〜30%約90%約50〜60%
見た目の自然さ高いやや劣る(歯茎の退縮が目立つ場合あり)高い中程度
骨造成の要否不要なケースが多い不要必要なケースが多い不要なケースが多い
手術当日の仮歯可能(即時荷重)-不可(待機期間が必要)不可の場合が多い
治療期間3〜6か月1〜2か月6か月〜2年3〜6か月
費用相場(片顎)200万〜350万円保険:1〜2万円 / 自費:30万〜80万円400万〜700万円80万〜200万円
メンテナンス3〜6か月ごとの定期検診半年〜1年ごとの調整3〜6か月ごとの定期検診3〜6か月ごとの定期検診

総入れ歯との比較ポイント

総入れ歯は費用が安く手術が不要ですが、噛む力が天然歯の約20〜30%にとどまるため、硬い食べ物が食べにくくなります。また、長期間使用すると顎の骨がやせてフィット感が低下し、作り替えが必要になることもあります。All-on-4は噛む力が天然歯に近く、固定式のため「外れる心配」がない点が大きな違いです。

総入れ歯との詳しい比較は「インプラントと入れ歯の違いを徹底比較」で解説しています。

インプラントオーバーデンチャーとの違い

インプラントオーバーデンチャーは、2〜4本のインプラントで入れ歯を安定させる方法です。入れ歯の「外れやすさ」を改善できますが、取り外し式であるためAll-on-4ほどの噛む力は得られません。費用はAll-on-4より抑えられるため、予算と求める機能のバランスで選択します。


よくある質問(FAQ)

Q1. All-on-4は上顎と下顎のどちらにも対応できますか?

A: はい、上顎・下顎ともに対応可能です。ただし、上顎は下顎に比べて骨密度が低い傾向があるため、上顎の骨の状態によってはインプラントを6本に増やす「All-on-6」が推奨されるケースもあります。いずれの場合もCT検査による骨の評価が必須です。

Q2. All-on-4の手術は痛いですか?

A: 手術は局所麻酔下で行うため、術中に痛みを感じることはほとんどありません。痛みに不安がある方には、静脈内鎮静法の併用で半分眠ったような状態で手術を受ける方法もあります。術後は2〜3日程度の腫れや鈍い痛みが生じることがありますが、処方される鎮痛剤で管理可能です。痛みについて詳しくは「インプラントの痛み・麻酔ガイド」をご参照ください。

Q3. All-on-4の治療後に食事の制限はありますか?

A: 手術当日からやわらかい食事は可能です。仮歯の期間(3〜6か月)は、硬いものや粘り気の強い食べ物を控えることが推奨されます。最終上部構造が装着された後は、ほぼ制限なく食事を楽しめるようになります。ただし、極端に硬い食品(氷を噛む、殻付きのナッツを歯で割るなど)は避けたほうが安全です。

Q4. All-on-4は医療費控除の対象になりますか?

A: はい、All-on-4を含むインプラント治療は医療費控除の対象です。1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、確定申告で所得税の還付と住民税の軽減を受けられます。デンタルローンで支払った場合も対象です。詳しくは「インプラントの医療費控除ガイド」をご覧ください。

Q5. All-on-4が自分に適応するかどうかは、どうすれば分かりますか?

A: All-on-4の適応判断には、歯科用CTによる顎の骨の精密検査と歯科医師によるカウンセリングが不可欠です。骨の量・密度、残存歯の状態、全身の健康状態などを総合的に評価したうえで、All-on-4が最適かどうかを判断します。まずは、All-on-4に対応している歯科医院で無料カウンセリングを受け、ご自身の適応可否を確認されてみてはいかがでしょうか。


まとめ:All-on-4は「少ない本数で全ての歯を取り戻す」治療法

本記事のポイントをまとめます。

  • All-on-4は、片顎最少4本のインプラントで10〜12本の人工歯を支える治療法
  • 手術当日に仮歯が入る(即時荷重)ため、歯がない期間がほぼない
  • 骨造成が不要なケースが多く、従来の全顎インプラントより治療期間が短い
  • 費用相場は片顎200万〜350万円で、従来法より100万〜300万円以上抑えられる可能性がある
  • 寿命は適切なメンテナンスで10〜20年以上が期待できる
  • デメリットとして、天然歯の抜歯が必要な場合がある点、対応医院が限られる点に注意
  • 定期メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎のリスクが高まる

All-on-4が自分に合っているかどうかは、CT検査とカウンセリングで判断する必要があります。まずは無料カウンセリングで、骨の状態や治療の選択肢について具体的に相談されてみてはいかがでしょうか。

無料カウンセリングを予約する →

費用について知りたい方はインプラント費用ガイド|1本あたりの相場と節約法
入れ歯との違いを知りたい方はインプラントと入れ歯の違いを徹底比較
治療の流れを詳しく知りたい方はインプラントの治療期間と流れ
痛みが心配な方はインプラントは痛い?術中・術後の痛みと麻酔法を解説
ローン・分割払いを検討中の方はインプラントのローン・分割払いガイド


免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療上の助言を行うものではありません。All-on-4の適応可否、治療期間、費用には個人差があり、本記事の内容がすべての方に当てはまるわけではありません。All-on-4を含むインプラント治療は保険適用外の自由診療であり、外科手術を伴うため術後に痛み・腫れ・出血が生じる可能性があります。具体的な治療計画や費用については、All-on-4に対応した歯科医院にて直接ご相談ください。

2026年3月12日時点の情報に基づいています。

〈調査概要〉
本記事中の費用データは、2026年3月12日時点でGoogle検索「インプラント 費用」関連キーワードにより上位表示された歯科医院30院(うち具体的料金を掲載している25院)のWebサイト掲載情報をもとに作成しています(かがやきインプラント編集部調べ)。費用は口腔状態・使用メーカー・地域・骨造成の有無等により大きく異なります。上記はあくまで調査時点の参考情報であり、最新の正確な費用は各歯科医院へ直接お問い合わせください。

参考文献

  1. Malo P et al. JADA 2011;142(3):310-320
  2. Malo P et al. Clin Implant Dent Relat Res 2019;21(4)

3万円相当の検査・診断が無料