インプラントと入れ歯どっちがいい?10項目で比較
歯を失ったとき、代表的な治療の選択肢が「インプラント」と「入れ歯(義歯)」です。結論から言えば、噛み心地・審美性(見た目の美しさ)・長期コストを重視するならインプラント、初期費用の安さや手術を避けたい場合は入れ歯が向いています。ただし最適な治療法は、口腔内の状態や全身の健康状態、年代によっても変わります。本記事では10の比較項目と20年間の費用シミュレーション、50代・60代・70代以上の年代別の選び方まで整理し、どちらが自分に合うかを判断するための情報を網羅的に解説します。
まず結論:あなたに向いているのはどっち?
「インプラントと入れ歯、どちらを選ぶべきか」は、何を最優先するかでおおよその方向性が決まります。詳しい比較の前に、判断の目安を先にお示しします。

- 費用をできるだけ抑えたい・手術は避けたい → まずは保険適用の入れ歯が有力
- しっかり噛みたい・見た目の自然さ・長く使うトータルコストを重視 → インプラントが有力
- 多くの歯を失っている・高齢で通院や手術に不安がある → **インプラントオーバーデンチャー(併用)**など第3の選択肢も検討
あくまで目安であり、実際には顎の骨の量や全身状態によって選べる治療が変わります。以下で10項目の比較と費用の試算を順に見ていきましょう。
インプラントと入れ歯の基本的な違い
両者の最大の違いは「歯の固定方法」です。まずそれぞれの仕組みを確認しておきましょう。

インプラントとは
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を外科手術で埋め込み、その上にアバットメント(連結部品)を介して人工歯(上部構造)を装着する治療法です。人工歯根が顎の骨と結合(オッセオインテグレーション)するため、天然歯に近い安定感と噛む力を再現できます。
治療は自由診療(公的医療保険が適用されない診療)にあたり、1本あたり30万〜50万円(税込)が相場です。治療期間は3〜6か月程度かかります。埋め込み手術に伴う痛みや麻酔について詳しくはこちらで解説しています。
入れ歯(義歯)とは
入れ歯は、人工の歯と歯ぐき(床)で構成される着脱式の装置です。部分入れ歯の場合は残っている歯にクラスプ(金属のバネ)をかけて固定し、総入れ歯の場合は歯ぐきへの吸着力で固定します。
保険適用の入れ歯であれば数千円〜2万円程度で作製でき、外科手術が不要なため体への負担が少ない点が特徴です。一方、自費診療(保険適用外)の入れ歯はノンクラスプデンチャー(バネを使わない入れ歯)や金属床義歯(薄い金属でできた入れ歯)など、装着感や審美性を高めた製品もあり、10万〜50万円程度かかります。
根本的な違いは「固定方法」
インプラントと入れ歯の最大の違いは、歯の固定方法にあります。インプラントは顎の骨に直接固定されるため動かず、入れ歯は歯ぐきの上に乗せる構造のため多少の動きが生じます。この固定方法の違いが、噛む力・装着感・骨の健康維持など、あらゆる差につながっています。
なお、歯を失った際の選択肢にはインプラント・入れ歯のほかに、両隣の歯を支えにする「ブリッジ」もあります。3つの治療法をまとめて比較したい方は、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3者比較はこちらもあわせてご覧ください。本記事では「インプラントか入れ歯か」の2択で迷っている方に向けて、両者の違いを深掘りします。
インプラントと入れ歯を10項目で比較(一覧表)
結論として、機能性や長期的な耐久性ではインプラントが優位、費用の手軽さや治療期間の短さでは入れ歯に利点があります。以下の表で、10の項目から違いを一目で把握できます。
| 比較項目 | インプラント | 入れ歯(義歯) |
|---|---|---|
| 噛む力 | 天然歯の約80〜90%を回復 | 天然歯の約20〜40%(総入れ歯は約10〜20%) |
| 見た目(審美性) | 天然歯とほぼ見分けがつかない | 保険適用品はクラスプ(金属バネ)が目立つ場合あり |
| 耐久性(寿命) | 10〜15年以上(平均23.3年追跡で生存率96.4%:Carossa et al., 2024)[注1] | 4〜5年で作り替えが必要(10年生存率50%:Vermeulen et al., 1996)[注2] |
| 費用(1本あたり) | 30万〜50万円(自由診療) | 保険適用:5,000円〜2万円 / 自費:10万〜50万円 |
| 治療期間 | 3〜6か月(骨造成が必要な場合は9か月〜1年) | 2週間〜2か月程度 |
| 手入れの方法 | 通常の歯磨き+定期検診(年2〜4回) | 毎食後に取り外して洗浄+洗浄剤の使用 |
| 周囲の歯への影響 | 独立構造のため周囲の歯に負担をかけない | クラスプをかける歯に負担がかかる |
| 顎骨の吸収防止 | 人工歯根が骨に刺激を与え、骨吸収を抑制 | 骨への刺激が不足し、顎骨が痩せやすい |
| 保険適用 | 原則なし(一部の先天性疾患・外傷等は例外) | あり(素材や設計に制限あり) |
| 通院回数 | 5〜10回程度(検査・手術・経過観察・装着) | 3〜6回程度(型取り・試適・調整) |
表中の噛む力・寿命の数値は、記事末尾の参考文献および一般的に報告されている範囲に基づいています。実際の数値は口腔内の状態や製品によって幅があります。


インプラントのメリット・デメリット
インプラントは「よく噛める・見た目が自然・長く使える」一方で、「手術が必要・費用が高い・適応に条件がある」治療です。良い面と注意点を整理します。
インプラントのメリット
- 天然歯に近い噛む力:顎の骨に固定されるため、硬い食べ物もしっかり噛めます。天然歯の約80〜90%の咀嚼力(食べ物を噛み砕く力)を回復できると報告されています
- 見た目が自然:セラミック製の人工歯を使うことで、色や形を周囲の歯に合わせられ、治療跡がほとんどわかりません
- 周囲の歯を傷つけない:独立した構造のため、隣の健康な歯を削ったり負担をかけたりする必要がありません
- 顎の骨の健康を維持:人工歯根を通じて噛む力が骨に伝わるため、歯を失った部分の骨が痩せるのを防ぐ効果が期待できます
- 長期間使用できる:適切なメンテナンスを続ければ、10〜15年以上使用できるケースが多く、長期的なコストパフォーマンスに優れています。寿命を左右する要因はインプラントの寿命・耐久性ガイドで詳しく解説しています
- 異物感が少ない:入れ歯のような着脱の手間がなく、装着していることを意識せずに過ごせます
インプラントのデメリット
- 外科手術が必要:顎の骨にインプラント体を埋め込む手術を行うため、体への負担があります。術後は腫れや痛みが数日〜1週間程度続く場合があります。痛みや麻酔について詳しくはこちら
- 初期費用が高い:自由診療のため、1本あたり30万〜50万円程度の費用がかかります。費用の内訳はインプラント費用ガイドで解説しています
- 治療期間が長い:骨とインプラント体が結合するまでに3〜6か月の待機期間が必要です
- 全身状態によっては適応外:重度の糖尿病や心疾患がある方、骨粗しょう症の治療薬(ビスフォスフォネート製剤)を使用中の方などは治療が難しい場合があります。詳しくは持病とインプラントの関係ややめたほうがいい人の条件をご覧ください
- インプラント周囲炎のリスク:メンテナンスを怠ると、インプラント周囲の歯ぐきや骨に炎症が起きる「インプラント周囲炎」になるリスクがあります。定期的な歯科検診が欠かせません
入れ歯のメリット・デメリット
入れ歯は「安く早く始められ、手術も不要」な一方で、「噛む力・見た目・骨の維持で不利」な治療です。「部分入れ歯」と「総入れ歯」の特徴を押さえたうえで整理します。
部分入れ歯の特徴
部分入れ歯は、残っている歯にクラスプ(金属のバネ)をかけて固定するタイプの義歯です。1本〜数本の欠損に対応します。保険適用の場合は数千円〜1万円程度で作れますが、クラスプが目立つ場合があります。自費のノンクラスプデンチャーなら金属バネを使わないため見た目が改善されますが、10万〜30万円程度の費用がかかります。
総入れ歯の特徴
総入れ歯は、すべての歯を失った場合に用いる義歯です。歯ぐきへの吸着力で固定します。保険適用の場合は1万〜2万円程度で作れますが、プラスチック(レジン)製のため厚みがあり、異物感や食べ物の温度が伝わりにくいといった課題があります。自費の金属床義歯であれば、薄くて熱伝導性が良いため装着感が向上しますが、30万〜50万円程度かかります。
入れ歯のメリット
- 初期費用が安い:保険適用であれば数千円〜2万円程度で治療を始められ、経済的な負担が小さいです
- 外科手術が不要:体への負担が少なく、高齢者や持病のある方でも治療を受けやすいです
- 治療期間が短い:型取りから完成まで2週間〜2か月程度と、比較的短期間で使い始められます
- 多数歯の欠損に対応しやすい:総入れ歯であれば、全ての歯を失った場合にも一度に対応できます
- やり直しが容易:着脱式のため、合わなくなった場合の修理や作り替えが比較的簡単です
入れ歯のデメリット
- 噛む力が弱い:天然歯の約20〜40%程度の咀嚼力にとどまり、硬い食べ物や繊維質の多い食品が食べにくくなる場合があります
- 見た目の課題:保険適用の部分入れ歯はクラスプ(金属バネ)が見えてしまうことがあり、審美面で気になる方もいます
- 異物感がある:特に総入れ歯は口の中の広い範囲を覆うため、装着当初は異物感や発音のしにくさを感じることがあります
- 毎食後のケアが必要:食後に取り外して洗浄する手間がかかります。また、洗浄剤を使った日常的なケアも必要です
- 顎の骨が痩せやすい:入れ歯は歯ぐきの上に乗る構造のため、骨への刺激が不足し、時間の経過とともに顎の骨(歯槽骨)が吸収されて痩せていきます。骨が痩せると入れ歯が合わなくなり、再作製が必要になります
- 作り替えが定期的に必要:平均4〜5年で合わなくなるため、定期的な修理や作り替えが必要です
- 味覚・食感への影響:総入れ歯は上顎を覆うため、食べ物の温度や味を感じにくくなる場合があります
第3の選択肢:ブリッジやインプラントオーバーデンチャー
歯を失ったときの選択肢は「インプラントか入れ歯か」の2択だけではありません。両者の中間的な選択肢を知っておくと、より納得のいく判断ができます。
ブリッジとの違い(1〜数本の欠損)
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って土台にし、橋(ブリッジ)を渡すように連結した人工歯を被せる治療です。固定式なので入れ歯より噛みやすく、手術も不要で、保険適用も可能です。ただし、健康な隣の歯を削る必要があり、支えとなる歯に負担がかかる点がデメリットです。
「削りたくない・骨の健康を守りたい」ならインプラント、「手術を避けつつ固定式にしたい」ならブリッジ、という住み分けになります。3つの治療法の費用・寿命・噛む力を並べて詳しく比べたい方は、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3者比較をご覧ください。
インプラントオーバーデンチャー(多数歯欠損の併用治療)
インプラントオーバーデンチャーは、顎に2〜4本程度のインプラントを埋め込み、それを支えにして入れ歯を固定する治療法です。ボタン式(ロケーター)や磁石(マグネット)で入れ歯を留めるため、通常の総入れ歯より格段に安定し、「入れ歯が外れる・浮く」といった悩みを軽減できます。
費用は本数や構造によりますが、おおむね40万〜150万円程度が目安です。すべての歯を1本ずつインプラントにする方法や、片顎を4本で支えるAll-on-4より費用を抑えつつ、総入れ歯より高い安定性を得られる「中間の選択肢」として、多くの歯を失った高齢の方に適しています。詳しくはインプラントオーバーデンチャーの解説をご覧ください。
こんな方にはインプラント/こんな方には入れ歯
どちらの治療法が適しているかは、優先事項や口腔内の状態によって異なります。以下を参考に、自分に合った治療法を検討してみてください。
インプラントが向いている方
- しっかり噛んで食事を楽しみたい方:天然歯に近い咀嚼力で、食べ物の制限がほとんどなくなります
- 見た目の自然さを重視する方:周囲に治療の跡を気づかれたくない方には最適です
- 周囲の健康な歯を守りたい方:他の歯を削ったり負担をかけたりしない独立した構造です
- 長期的なコストを抑えたい方:初期費用は高いものの、10年以上使用できるため生涯コストでは有利になるケースがあります
- 入れ歯の着脱が煩わしいと感じる方:固定式のため毎食後に外して洗う必要がありません
- 顎の骨の健康を維持したい方:人工歯根が骨吸収を抑え、顔貌(顔の見た目)の変化を防ぎます
入れ歯が向いている方
- 初期費用を最小限に抑えたい方:保険適用なら数千円〜2万円程度で始められます
- 外科手術に不安がある方、または手術が困難な方:全身疾患や服薬状況により手術が難しい場合にも対応できます
- できるだけ早く治療を終えたい方:2週間〜2か月程度で使い始められます
- 多くの歯を一度に補いたい方:総入れ歯なら全顎を一度にカバーできます
- まずは費用を抑えて試し、将来的にインプラントへ切り替えたい方:入れ歯からインプラントへの移行は可能です
迷ったら確認したい判断チェックリスト
次の5つの質問に答えると、自分がどちらに傾いているか整理できます。「はい」が多い項目の治療法が、あなたの優先順位に近い候補です。
インプラント寄りかを確認する質問
- 硬いものもしっかり噛んで、食事の楽しみを保ちたい
- 金属のバネや装置が見える見た目は避けたい
- 20年など長い目で見たトータルコストで判断したい
- 隣の健康な歯を削りたくない
- 顎の骨が痩せて顔つきが変わるのを防ぎたい
入れ歯寄りかを確認する質問
- 初期費用をできるだけ抑えて早く治したい
- 外科手術は受けたくない・受けられない事情がある
- 持病や服薬があり、手術のリスクが気になる
- 多くの歯を一度にまとめて補いたい
- まずは手軽に試し、将来の切り替えも視野に入れたい
このチェックはあくまで自己整理のためのものです。最終的には、歯科医師に口腔内の状態を診てもらい、それぞれの適合度について説明を受けることが大切です。失敗しないクリニック選びのポイントはこちら
年代別の選び方(50代・60代・70代以上)
同じ「歯を失った」状態でも、年代によって顎の骨の状態・全身の健康・通院のしやすさが変わるため、適した選び方も変わってきます。年齢そのもので受けられる・受けられないが決まるわけではありませんが、判断の目安として年代別に整理します。年齢の考え方の詳細はインプラントの年齢制限・年齢の考え方もご参照ください。
50代の選び方
50代は顎の骨や歯ぐきの状態が比較的良好で、全身の健康状態が安定している方も多く、インプラントの適応となりやすい年代です。これから20〜30年使うことを考えると、長期的なコストや噛む力の面でインプラントのメリットを受けやすいといえます。一方で、費用が最大の壁になりやすい年代でもあるため、初期費用と長期コスト、医療費控除やローンの活用を含めて検討するとよいでしょう。
60代の選び方
60代は、糖尿病・高血圧・骨粗しょう症などの持病が出始める方が増える年代です。こうした持病があっても、状態がコントロールされていればインプラントを受けられるケースは少なくありません。まだ歯がしっかり残っている段階なら、早めにインプラントで噛む力を確保しておくことで、残った歯や顎の骨の健康を守りやすくなります。持病がある場合は、持病・全身疾患とインプラントを確認のうえ、かかりつけ医と歯科医師の連携のもとで判断しましょう。
70代以上の選び方
70代以上では、全身状態・通院を続けられるか・手術やメンテナンスの負担といった観点が重要になります。健康状態が良ければインプラント治療を受ける方もいますが、多くの歯を失っている場合は、少数のインプラントで入れ歯を安定させる「インプラントオーバーデンチャー」が、手術負担と費用のバランスの取れた現実的な選択肢になることがあります。高齢の方の治療の考え方は高齢者のインプラントで詳しく解説しています。
インプラントが受けられず入れ歯が選択肢になるケース
インプラントは誰でも受けられる治療ではありません。次のような場合は、インプラントの適応外となったり、追加処置が必要になったりすることがあります。この場合、入れ歯が現実的な選択肢となります。
- 顎の骨の量・厚みが不足している:インプラント体を支える骨が足りないと、そのままでは埋入できません。骨造成(骨を増やす処置)を行えばインプラントが可能になるケースもありますが、治療期間と費用が追加でかかります
- コントロールが不十分な糖尿病などの全身疾患がある:血糖値が安定していない場合、傷の治りや感染のリスクが高まるため慎重な判断が必要です
- 骨粗しょう症の治療薬(ビスフォスフォネート製剤など)を使用中:顎骨に関わる副作用のリスクから、休薬や主治医との連携が必要になる場合があります
- 重度の歯周病がある:まず歯周病の治療を優先し、口腔内の環境を整える必要があります
こうした条件に当てはまるかどうかは自己判断が難しいため、インプラントをやめたほうがいい人の条件も参考にしつつ、必ず歯科医師の診断を受けてください。適応外であっても、入れ歯やインプラントオーバーデンチャーなど、状態に応じた選択肢があります。
費用の比較 ── 初期費用 vs 長期コスト
インプラントと入れ歯の費用は、「初期費用だけ」でなく「10年・20年単位の長期コスト」で考えることが重要です。入れ歯は安く始められますが、4〜5年ごとの作り替え費用が積み重なります。以下の費用は、かがやきインプラント編集部が収集したクリニックの公開情報(記事末尾の〈調査概要〉参照)に基づく一次データを含む参考値です。
初期費用の比較
| 費用項目 | インプラント(1本) | 入れ歯(1本分) |
|---|---|---|
| 保険適用の場合 | 原則なし | 5,000円〜2万円 |
| 自費診療の場合 | 30万〜50万円 | 10万〜50万円(ノンクラスプ・金属床等) |
| 検査・診断料 | 無料〜5万5,000円(CT撮影含む) | 数千円程度 |
| 年間メンテナンス費 | 5,000円〜1万円(定期検診2〜4回) | 3,000円〜5,000円(調整・修理) |
20年間の長期コストシミュレーション(1本あたり)
長期的にはどちらが経済的なのか、20年間の費用を試算してみましょう。以下は本記事の調査に基づく相場を用いた試算例であり、実際の費用は治療内容によって変わります。

インプラントの場合(1本)
- 初期費用:約40万円(相場の中央値)
- 年間メンテナンス:約8,000円 × 20年 = 約16万円
- 20年間の合計:約56万円
保険適用の入れ歯の場合(1本分)
- 初回作製費:約1万円
- 5年ごとの作り替え費(4回):約1万円 × 4回 = 約4万円
- 年間調整・修理費:約4,000円 × 20年 = 約8万円
- 20年間の合計:約13万円
自費の入れ歯の場合(1本分・ノンクラスプ等)
- 初回作製費:約20万円
- 5年ごとの作り替え費(4回):約20万円 × 4回 = 約80万円
- 年間調整・修理費:約5,000円 × 20年 = 約10万円
- 20年間の合計:約110万円
保険適用の入れ歯は20年間でもインプラントより安くなりますが、噛む力や審美性、装着感の差を考慮する必要があります。一方、自費の入れ歯は作り替えのたびに高額な費用が発生するため、20年間のトータルではインプラントのほうが経済的になるケースもあります。
医療費控除・ローンで負担を抑える
インプラントは自由診療ですが、治療費は医療費控除の対象になります。1年間(1月〜12月)に支払った医療費が原則10万円(総所得金額等が200万円未満の方はその5%)を超えた場合、確定申告により所得税・住民税の一部が軽減されます(国税庁「医療費控除」の制度による)。戻る金額はおおまかに「(年間医療費 − 10万円)× 所得税率」が目安で、たとえば40万円のインプラント治療で所得税率20%の方なら、約6万円程度が軽減される計算になります(あくまで概算です)。控除の具体的な手続きや対象範囲はインプラントの医療費控除ガイドで解説しています。
また、デンタルローン(歯科治療専用のローン)やクレジットカードの分割払いを利用すれば、月々5,000円〜1万円台の支払いで治療を始めることも可能です。ローンで支払った治療費も医療費控除の対象になります。月々の負担を抑える方法はインプラントのローン・分割払いガイドをご覧ください。
費用の詳しい内訳や節約方法については、インプラント費用ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. インプラントと入れ歯は併用できますか?
はい、併用は可能です。たとえば、奥歯にインプラントを入れて噛む力を確保し、前歯部分には部分入れ歯を使うといった組み合わせが考えられます。また、インプラントを支えにして入れ歯を固定する「インプラントオーバーデンチャー」という治療法もあります。これは、通常の入れ歯よりも安定性が高く、費用もAll-on-4(片顎4本のインプラントで全歯を支える方法)より抑えられるケースがあります。どのような組み合わせが適切かは、歯科医師に相談して判断することが大切です。
Q2. 入れ歯からインプラントへ切り替えることはできますか?
可能です。ただし、入れ歯を長期間使用していた場合、顎の骨が吸収されて痩せている可能性があります。骨の量が不足している場合は、骨造成(骨を増やす処置)を行ってからインプラントを埋入する必要があり、治療期間と費用が追加でかかります。切り替えを検討している方は、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。
Q3. 高齢でもインプラント治療は受けられますか?
年齢そのものが治療の可否を決めるわけではありません。70代・80代でインプラント治療を受ける方もいます。重要なのは、全身の健康状態と顎の骨の量・質です。持病(糖尿病・心疾患・骨粗しょう症など)がある場合は、かかりつけの医師との連携のもと治療可能かを判断します。持病があっても、状態がコントロールされていれば治療できるケースは少なくありません。詳しくは高齢者のインプラントをご覧ください。
Q4. インプラントと入れ歯、手入れが楽なのはどちらですか?
日常の手入れのしやすさで言えば、インプラントのほうが手軽です。インプラントは天然歯と同じように歯ブラシやフロスで清掃できます。一方、入れ歯は毎食後に取り外して流水で洗い、洗浄剤に浸けるなどの手間がかかります。ただし、インプラントは年2〜4回の歯科医院での定期検診が不可欠です。入れ歯も定期的な調整が必要なため、通院頻度に大きな差はありません。
Q5. インプラントと入れ歯の費用差を埋める方法はありますか?
インプラントは自由診療ですが、医療費控除の対象になります。1年間の医療費が原則10万円を超えた場合、確定申告で所得税・住民税の一部が軽減されます。また、デンタルローン(歯科治療専用のローン)やクレジットカードの分割払いを利用すれば、月々5,000円〜1万円台の支払いで治療を始めることも可能です。ローンで支払った場合も医療費控除の対象です。
Q6. 結局、インプラントと入れ歯はどちらを選べば後悔しませんか?
「絶対にこちらが正解」という治療法はありません。噛む力・見た目・長期コスト・骨の健康を重視するならインプラント、初期費用の安さと手術回避を重視するなら入れ歯が向いています。後悔を避けるうえで大切なのは、インターネットの情報だけで決めず、複数の観点で説明を受けて自分の優先順位を明確にすることです。判断に迷う場合は、複数の歯科医院で意見を聞くことも有効です。
まとめ:最適な選択は口腔状態とライフスタイルで決まる
インプラントと入れ歯は、それぞれに明確な強みがあります。
- インプラント:噛む力・審美性・耐久性・骨の健康維持に優れ、長期的なコストパフォーマンスが高い。ただし、外科手術が必要で初期費用が高額
- 入れ歯:初期費用が安く、手術不要で短期間に治療が完了する。ただし、噛む力や審美性に課題があり、定期的な作り替えが必要
どちらが最適かは、顎の骨の状態・全身の健康状態・年代・ライフスタイル・予算・何を最も重視するかによって異なります。多くの歯を失っている場合や高齢の場合は、インプラントオーバーデンチャーのような併用治療も選択肢になります。インターネット上の情報だけで判断するのではなく、歯科医師に口腔内の状態を詳しく診てもらった上で、ご自身の希望を伝えて相談することが後悔のない選択につながります。
どちらが最適かはカウンセリングで判断できます
インプラントと入れ歯、どちらが自分に合っているかは、口腔内の状態を実際に診てもらうことで初めて正確にわかります。カウンセリングでは、CT検査による骨の状態の確認や、費用・治療期間のシミュレーション、不安や疑問への回答を受けられます。
まずは無料カウンセリングで、ご自身に合った治療法を一緒に見つけましょう。
関連記事
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- インプラントのローン・分割払いガイド
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。インプラント治療は公的医療保険が適用されない自由診療であり、外科手術を伴います。治療の効果や経過には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。持病や服薬状況によっては治療が適応とならない場合もあります。治療をご検討の際は、必ず歯科医師による検査・診断を受け、十分な説明を聞いた上でご判断ください。本記事はかがやきインプラント編集部が、下記の参考文献および公的機関・学会等の公開情報をもとに作成・編集しています。
最終更新: 2026年7月
〈調査概要〉
本記事中の費用データは、2026年3月12日時点でGoogle検索「インプラント 費用」関連キーワードにより上位表示された歯科医院30院(うち具体的料金を掲載している25院)のWebサイト掲載情報をもとに、かがやきインプラント編集部が集計・作成した一次データを含みます。費用は口腔状態・使用メーカー・地域・骨造成の有無等により大きく異なります。上記はあくまで調査時点の参考情報であり、最新の正確な費用は各歯科医院へ直接お問い合わせください。
参考文献
- [注1] Carossa M, et al. Implant survival and implant prosthodontic survival: A systematic review and meta-analysis. Journal of Prosthodontics 2024.(インプラントの生存率に関する報告)
- [注2] Vermeulen AH, et al. Ten-year evaluation of removable partial dentures. Journal of Prosthetic Dentistry 1996;76(3):267-272.(部分入れ歯の長期予後に関する報告)
- 国税庁「医療費控除を受ける方へ(No.1120 医療費を支払ったとき)」(医療費控除の要件・計算方法の出典)
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会「口腔インプラント治療指針」(インプラント治療の適応・安全性に関する一次情報)
